令和3年2月26日に、船橋市議会「令和3年第1回定例会」で3つのテーマにおいて一般質問させていただきました。
そのうちのひとつ、「業務改善について」に関する答弁をご紹介します。
今回この質問を取り上げた経緯は、本市の令和3年度予算案に目を通した際に、行財政改革を進める必要性があるとはいえ、まずやるべきことがあるのではないか?という懸念を感じたからです。
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【林としのり一般質問と市の回答】

業務改善について
新型コロナウイルス感染症の対策、財源調整基金の減少、公共施設の老朽化など、本市の財政状況を踏まえれば行財政改革の必要性は明らかです。船橋市では、近年ますます多様化する市民ニーズに対応しながらも持続可能な行財政運営を行っていくために「行財政改革推進プラン」が策定されています。同プランに設けられている6つ取組項目のうちのひとつである「業務改善による事務執行の効率化」を進めるにあたり、令和3年1月に「業務改善に係る取組方針」が出されました。
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〔ご参考〕
「業務改善に係る取組方針」を策定しました(船橋市HPより)

本市の行財政改革は、持続可能な行政運営(=いざという時に、財源を切り崩して適切に行政を運営すること)を目的に令和元年度・2年度は集中取り組み期間として行われてきており、引き続き令和3年度も行革に取り組むとされています。
この背景には、減り続ける財源調整基金(=市の貯金)、膨らむ扶助費、増える公債費などを解決しなければならないことが挙げられます。さらに、昨年からのコロナ禍が財政に大きなダメージを与えています(市民税、固定資産税の減少、補助費等の増加など)。
そうした中で、上述した「業務改善に係る取組方針」が出されたわけですが、ここには削減目標金額や削減額が一切出てきていません。
今後行革を行っていくのであれば、まずは前段として「本市としてどのくらい業務の改善を行い、歳出の削減に取り組んできたか」という事を具体的に示していく事が重要であると考えます。

行財政改革推進プランを見ても、見直しであったり、各事業がこの先どうなっていくのか?といった部分が目立ってしまい、本来大事にするべき部分が抜け落ちているように映ります。
本年1月に行われた総務委員会において、業務改善に関しての報告は受けましたが、削減時間やICTを活用した事務執行の効率化についての説明がなされたものの、その取り組みを進めたことによる効果試算(見込み金額)が示されておらず、目標金額についても触れられてはいませんでした。
私はこうした点をしっかりと示していく事が、行財政改革を今後進めていくと判断している本市にとって必要になってくると考えます。

〔質問〕
Q. 本市としては、業務改善に係る取組方針について時間の削減、また、今後の削減目標が出されているが、それを削減額に置き換えた金額を出していく事が必要と考えているが本市の見解はどうか。

〔答弁〕
総務部長:

『「業務改善に係る取組方針」におきましては、デジタル技術を活用した窓口改善や業務のデジタル化による効率化によって削減されることが見込まれる業務時間について、実際にその業務にかかっている時間を積み上げて算出し記載しております。こうした業務には様々な職位の職員が何らかの形で関わっており、業務と職員が必ずしも1対1で対応しているものではございません。したがって、事業を見直し不要となる予算額を「効果額」として算出できる「事業の見直し」とは性質が異なる事から、現時点では削減時間の形で表したところでございますが、今後、効果を検証する際には、人件費として効果額を算出することができないのか、工夫してまいりたいと考えます。
 クラウドサービスへの移行につきましては、住民記録システム等のクラウドサービスへの運用切り替えの効果として金額が削減される部分がございますので、削減額を明示しております。また、業務システムの集約化につきましては、システムの更新にあわせて、今後、集約化によるコストの削減効果を検証してまいります。 』

との回答を頂きました。
船橋市は「行財政改革推進プランの進捗状況」を公表していますが、その紙面で「行革レビュー」の項目には効果見込み金額を掲載しています。そうであるならば、同じように「行革レビュー以外の取り組み項目」にも業務改善を行ったことによる効果見込み額を何かしらの形で載せていくのは本来あってしかるべきだと考えます。
今後取り組みを進めて行く中で、市民の皆様へ向けて「本市も業務改善を行って成果も出している」ということが真に理解されていくように引き続き検討していただければと思います。
〔ご参考〕
行財政改革推進プランの進捗状況(令和2年度)(船橋市HPより)

次にICTを活用した業務改善の部分について質問しました。
ICTを活用した取り組みに関しては、社会情勢の変化、新型コロナウイルス感染症の影響により今後益々、取り組みがなされていくと考えます。しかし、限りある財源の中では、的を絞って進める必要があり、導入するのであれば導入経費と削減効果の検証は不可欠です。
 
〔質問〕 
Q. ICTを活用した業務改善の取り組みを進めて行く中で、今後の取り組み方針について効果検証をしていく必要があるが、本市の見解はどうか。

〔答弁〕 
総務部長: 

『オンライン申請の拡充などの市民サービスの向上につながる取り組みについては、市民にとって分かりやすく、また負担の少ない手続きを増やすとともに、利用者数の増加を図っていく必要があります。また、パソコン操作の自動化が可能なRPAの活用などによる業務の効率化については、導入経費と削減効果を勘案して効果検証をしていく必要があります。
いずれにしましても、来年度に策定する予定のデジタル化推進のための計画におきまして、各取り組みを着実に実施していくための工夫や適切な目標・指標を設置し、効果検証を行ってまいります。 』

この点に関してはしっかりと効果検証を行っていただければと思います。
今後デジタル技術の進歩は益々目まぐるしく進歩していくことでしょうし、それに伴い、行政においても導入を進めていくとなれば、すなわち税金を投入するということになりますので、必ず効果検証の取り組みについては前へ進めていただければと思います。

〔令和3年第1回定例会 一般質問(2021.2.26)〕 
林 利憲 
1.業務改善について
2.公共施設について
3.議案第1号一般会計予算「介護者不在障害者支援事業費について」

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