令和3年2月26日に、船橋市議会「令和3年第1回定例会」で3つのテーマにおいて一般質問させていただきました。
そのうちのひとつ、「公共施設について」に関する答弁をご紹介します。

新型コロナウイルス感染症の影響が、至るところで表面化してきております。そうした中で、緊急事態宣言が解除された後、本市としてどのような取り組みを行っていく必要があるのかを考え、市民生活に大きな影響があると考えられる公共施設について質問しました。
公共施設について-1


【林としのり一般質問と市の回答】

公民館の利用状況
本市においては、行財政改革の取り組みによって昨年度(令和2年度)から公民館の使用料が一部上がっています。新型コロナウイルス感染症の影響により今は公民館が休館となっていますが、今後緊急事態宣言が解除されても利用控えが想定されることから、従来どおりの利用状況に戻ることは簡単ではないと考えています。
そこでまず、現状について確認しました。

〔質問〕
Q. 令和2年度の公民館の利用状況について以前との比較と、その原因を市としてどう捉えているのか。また、コロナ禍において利用者に対し安全面をどのように告知していくのか?

〔答弁〕
生涯学習部長:

『現在、公民館は休館してございますが、令和2年の6月15日~12月25日にかけましては、利用制限付きではありますが、ご利用いただいておりました。利用状況は館によって若干の差はありますが、令和元年度同時期の60%となっております。公民館といたしましては、安全な環境のもと、安心してご利用いただけるよう、これまでも各部屋に可動式のフィルムパーテーションを配置するとともに、施設利用の基準等について、市のホームページなどでお知らせしてまいりました。今後は館内掲示や窓口において、さらにわかりやすく丁寧な説明を心がけ、利用者に必要な情報を届けてまいります。 』

との回答を頂きました。
なかなか、このコロナ禍により正確なデータが得られない状況下にあるとは思いますが、利用状況が令和元年度同時期の6割になっているという現状に対し、原因の分析で団体の利用控えが要因として考えられるのであれば、その点についてしっかりと対策を練らなければならないですし、安心して利用してもらえるような利用者への周知も必要だと感じています。
また、利用促進に関しては、次の一手、次の一手と、(利用促進につながる)先を見据えた施策を打ち出していくことが重要であると考えます。


公民館のWi-Fi環境整備
さて、本市では昨年度の補正により各公民館においてWi-Fi環境整備が決まっています。Wi-Fiが利用可能となれば、本市においても新たな取り組みの一環として「Wi-Fiを活用した事業の展開」も進めていく必要があるのではないかと考え、次の質問を行いました。

〔質問〕 
Q. Wi-Fiを整備したことによる新たなプランとWi-Fi導入までのスケジュールについて伺いたい。

〔答弁〕 
生涯学習部長: 

『今年度、全公民館にWi-Fi環境の整備を進めているところでございます。Wi-Fiを活用した新たな事業といたしましては、主に2つのタイプを考えております。
一つ目が、ICTを使いこなせる人とそうでない人の格差、デジタルデバイドを解消する事業です。高齢者等を主な対象者に初心者向けのスマートフォン講座等を開催することで、日常生活で必要な情報や災害情報などの取得、オンラインを使ったコミュニケーションを支援するものです。令和3年度は100回の講座を予定しております。
二つ目が、オンラインを活用した講座や講演会の開催です。コロナ対策として、密にならないよう人数制限を設けている事業にオンラインでの参加を促すことができるほか、普段、公民館に来られない子育て世代の方や働く世代の方にも事業を通して公民館に親しんでもらうことを期待しております。
Wi-Fi設置のスケジュールですが、全公民館の整備に向け、順次、作業を進めている状況であり、一部付帯工事を行う箇所を除き緊急事態宣言解除後の公民館再開に合わせた利用開始を目指しております。』

との回答を得ました。
今回のWi-Fi整備は、国のコロナ対策費が充てられています。ワクチン接種が始まってもしばらくの間は変わらないであろうコロナ禍において、デジタルデバイドを解消する取り組みや、公民館に普段来られない世帯に対して親しんでもらえるような活用については必要なことであり市民からのニーズもますます高まるのではないでしょうか?
市政執行方針の中にも「限られた財源や人材、施設などの経営資源を効果的に活用した持続可能な財政基盤を目指す」と記載されていますが、まさにこのWi-Fi環境の整備をフルに生かしていくことがこれに値すると考えています。
緊急事態宣言解除後、公民館の再開に合わせた最高のスタートを迎えられるよう進めていただければと思います。

(補足)
令和3年4月13日付で市ホームページに利用について掲載されました。

「公衆無線LAN(Wi-Fi)の利用について」
https://www.city.funabashi.lg.jp/shisei/keikaku/003/p089894.html



今後の公民館を考えていくうえでも、普段利用しない世代に対して活用を促し、公民館の利用者を増やしていく取り組みが必要であると考えていることから、次の質問を行いました。

〔質問〕 
Q. (公民館のWi-Fi環境について)利用促進に関してどのような広報を考え、取り組みを進めていくのか?

〔答弁〕 
生涯学習部長: 

『公民館におけるWi-Fi利用につきましては、既存の公民館利用者はもとより、公民館を利用していない方にもいかに周知していくのかが重要と考えます。例えば、夜間の利用者が少ないことから、働いている方や学生などに対し、アプローチしていくことも必要と考えます。そのため、市のホームページはもちろんのこと、利用者層の幅を広げるために、市の公式アプリ「ふなっぷ」やフェイスブック、ツイッター等、さまざまなツールの活用を考えてまいります。』

との回答でした。
公共施設を普段あまり利用しない世代が活用しやすいように間口を広げることにより、新たな利用者が見込めるだけではなく、別の面、とりわけ市の施策にもプラスの効果が期待できるのではないかと考えます。総務委員会では以前、市の広報について議論となり、行革に関連する資料を公民館に置いても利用する一部の世代しか見ることが無いなど、取り組みが不足しているのではないかと考えさせられることがありました。この点につきましては、Wi-Fi環境が整備されてから後日伺っていこうと思っておりますが、まずは新たな利用世代が増えるような取り組みをどんどん進めていっていただければと期待しています。


保健所による休館・再開判断
本市においては、緊急事態宣言が発令される前の12月26日に、本市の新型コロナウイルス感染症患者数の増加を踏まえて独自で各公共施設の休館判断がなされました。
市政執行方針にも「感染症への対応の中で、特に強く感じていることは、船橋市医師会との協力体制が築かれていることと、中核市として独自の保健所を有していることの重要性」と載っております。他の保健所に頼ることなくスピード感をもって感染症対策をすることができ、情報面や病床のひっ迫に応じた対応策を独自に練ることが出来たことから、私も本市において保健所を有している利点は大きかったものと思います。
この利点を更に生かしていくことが出来るのではないか?という考えから、次の質問を行いました。

〔質問〕 
Q. 現在、新型コロナウイルス感染症対策本部会議にて各公共施設の休館などを判断しているが、独自に保健所を持つ利点を生かし、市内の感染状況や病床のひっ迫度合いに応じた感染状況をステージごとに定め、市民にも分かりやすいように示していくのも一つの手であると考えるが、本市の見解はどうか?

〔答弁〕 
保健所理事: 

『(議員ご案内の)昨年12月26日~3月7日までの公共施設の休館につきましては、市長を本部長とする「船橋市新型コロナウイルス感染症対策本部会議」にて協議し決定いたしました。本部会議の協議の中で、市内の感染状況が深刻となり療養ホテルの入所状況や病床の稼働率が急激に上昇してきた現状などを踏まえ、市として感染者数の増加を抑制するためには公共施設の休館とイベントの中止を早期に実施することが必要と判断をしたものです。
議員からは、公共施設の休館を判断する基準を作成し、市民に分かりやすいように示していくことも必要ではとのご提案をいただきました。新型コロナウイルス陽性者の対応として、入院が必要となった方は、まずは市内の協力医療機関での入院調整を行い、調整がつかない場合には千葉県に病院調整を依頼し、市外の病院に入院していただいております。このことから、医療体制など県が主体で実施する施策もございますことから、公共施設の休館等の基準を1市での状況をもって定めることは難しいものと考えております。
しかしながら、市といたしましても、公共施設を休館し、市民の皆様にご不便をおかけしている側面もありますことから、市内の感染状況を分かりやすくお伝えし、ご理解、ご協力いただくことも重要であると考えておりますので、今後もより正確で迅速な情報発信に努めてまいります。』

との回答です。
一年近くになる新型コロナウイルス感染症とのたたかいの中で、最も警戒しなくてはならないのが「慣れによるゆるみ」であると思います。毎日のように発表される東京都の感染者と比較すると本市の数字は少なく見えますが、決して油断は出来ないですし、何より病床のひっ迫に関しては時間差を置いて出てくると伺っています。そうした中で本市の置かれている状況を常に正確に市民へ伝えていくことが重要になりますし、また、大きな決断があるときには市長がしっかりと強いメッセージを出していくことも大切になってきますので、その点については要望とさせていただきました。

〔令和3年第1回定例会 一般質問(2021.2.26)〕 
林 利憲 
1.業務改善について
2.公共施設について
3.議案第1号一般会計予算「介護者不在障害者支援事業費について」

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