令和3年7月13日に、船橋市議会「令和3年第2回定例会」で防災にテーマを絞り一般質問させていただきました。長文になりますので記事を2つに分け、まずは福祉防災に関する答弁をご紹介します。

船橋市では、令和3年度予算案で「介護者不在時の障がい者支援」が盛り込まれています。その取り組み内容を介護を必要とされているご家族の方へ報告させていただいた際に、災害時の不安な点、特にコロナ禍という状況下であり不安を抱いていらっしゃるというお話を伺いました。
そこで、今回は本市における福祉防災について、いくつか質問をいたしました。
令和3年第2回定例議会-1

【林としのり一般質問と市の回答】

個別避難計画に関して
令和3年5月20日付けで「災害対策基本法」改正が施行され、個別避難計画の策定が努力義務化されました。本市においては要配慮者に対し、平成28年4月船橋市要配慮者避難支援ガイドラインを策定して要配慮者の方に対しての避難行動の方向性が出されており「避難行動要支援者に対しての支援のあり方」に関しても記載されています。
令和3年4月1日時点での避難行動要支援者名簿には27,914人もの登録があり、昨今のコロナ禍を踏まえて、より充実した体制を構築していく事が急務と考えます。

〔質問〕
Q. 本市における避難行動要支援者名簿の方に対する避難所までの個別避難について、地域で要配慮者を支援する方のスキル向上についての取り組みはどうか?

〔答弁〕
健康福祉局長:

『令和3年5月20日付で「改正災害対策基本法」が施行されまして、自力で避難が難しい方を支援する人や避難先等を記載した個別避難計画の策定が努力義務化され、支援の優先度の高い方についておおむね5年程度の間に取り組むことが求められています。
災害時に自力で避難することが難しい高齢者や障がい者等の避難行動要支援者につきましては、地域における共助が基本となります。避難行動要支援者の個人情報につきまして、ご本人の同意のもと市社会福祉協議会が実施している「安心登録カード」を通じて地域で情報共有を行っています。
地域で支援する方のスキル向上につきましては、総合防災訓練や今後作成に取り組む個別避難計画を通じて、検討していきたいと考えております。 』


福祉避難所への移送判断基準(スクリーニング)
現状、災害が発生した際は一般の方と同様に要配慮者の方も、まずは小・中学校等の宿泊可能避難所へ避難し、配慮の必要な方に対して福祉避難所に移動していただく流れになっています。しかしながら、本市においてはその判断基準が表などにして市民の方へ明示されてはおらず、専門の人材が判断していると伺いました。

熊本県の福祉避難所運営マニュアルには「災害発生直後、専門的人材を得ることが難しい場合は、避難所 運営委員会の要配慮者対応班等が実施する」との記載があるのですが、このことから大規模災害下では専門人材の確保が困難になってしまうことも想定されます。
そのため、判断基準を明確化しておくことが必要であると私は考えます。
判断基準(=配慮の内容に応じて避難・移送先を決めておく)、いわゆる「スクリーニング」に関する取り組みにつきまして他自治体を調査したところ、熊本市では国の「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」を参考に作成されていました。
(ご参考/熊本市「福祉避難所等の設置運営マニュアル」)
https://www.city.kumamoto.jp/hpKiji/pub/detail.aspx?c_id=5&id=34579&class_set_id=2&class_id=122

このような良い取り組みはぜひ取り入れるべきだと考え、次の質問を行いました。

〔質問〕 
Q. 本市においてもスクリーニングをしっかりと決め、作成をしていく事も必要と考えるが本市の見解を伺いたい。

〔答弁〕 
健康福祉局長: 

『小中学校等の宿泊可能避難所から福祉避難所へ移送する人を決めるスクリーニングについては、庁内で組織する要配慮者対策推進委員会で検討しておりますが、基準を定める段階には至っておりません。
議員ご指摘のとおり、どのような方が福祉避難所の対象となるのか、あらかじめ基準を明確化しておくことは必要なことと考えておりますので、引き続き検討してまいります。』

との回答を得ました。
判断基準を明確化しておくことが不可欠であると私は考えますので、ぜひしっかりと協議、検討していただきたいと思います。
さらに、移送の方法についても伺いました。


〔質問〕 
Q. 本市において災害時に小中学校等の宿泊可能避難所から福祉避難所へ移送するに当たっては、どの様な方法を考えているのか?

〔答弁〕 
健康福祉局長: 
『小中学校等の宿泊可能避難所から福祉避難所への移送にあたっては、まず家族等による移送が可能か検討していただきます。それが困難な場合は「緊急時における緊急輸送等に関する協定」を締結した千葉県タクシー協会京葉支部や船橋市福祉限定事業者連絡会といった事業者による搬送を行います。それでも困難な場合は公用車により職員が搬送することを想定しています。』

との回答でした。
本市が設置する福祉避難所の多くは公民館を想定しており、実際に災害が起きた場合に福祉避難所側から迎えに行く事は人員の関係からかなり厳しくなってくると考えますので、ぜひ引き続きタクシー業界との連携を密に図って頂ければと思います。


公民館を福祉避難所として活用することについて
本市の福祉避難所については、主に公民館の活用がなされています。
自前の施設を有効活用する事に関して、私は良いと考えています。しかしながら、昨今のコロナ禍の現状を踏まえると、福祉避難所としての機能面、また国の方針とも照らし合わせ、今一度原点に立ち帰り整備を進めて行く必要があるのではないでしょうか?
公民館を福祉避難所として考えていくならば、いざという時にしっかりと対応できるようにしなくてはなりません。今後の整備に関して現状の取り組みを確認するとともに、方向性を示していただく事を要望するために次の質問を行いました。

〔質問〕 
Q. 過去令和元年第3回定例議会において、我が会派の議員が「公民館で福祉避難所としての機能が果たせるのか」と質問した。当時の副市長は「検討していく」と答弁されていたが、どの様な検討があったのか?

〔答弁〕 
市長公室長: 

『現在、公民館における避難所開設に備え、各館ごとに避難所開設訓練を令和3年5月以降順次行っているところです。また、健康福祉局においては、中央老人福祉センターにて、介護職の団体、障がい福祉団体などの方に協力をいただき、福祉避難所開設等訓練を実施したところです。こういったことを踏まえ、公民館において福祉避難所と宿泊可能避難所の双方の機能が果たせるのかも含め検討してまいります。』


船橋市としての今後の方針
国では「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」が令和3年5月に改定されました。
この内容は、
・福祉避難所ごとにあらかじめ受け入れ対象者を特定し、公示する制度の創設
・福祉避難所の直接避難の促進
といった方向性が示されています。
そこで最後に、福祉防災に関する本市としての今後の方針について質問を行いました。


〔質問〕 
Q. 本市においては、この改定を受けてどの様に対応していくのか?

〔答弁〕 
市長公室長: 

『国のガイドライン改定の主な内容としては、「受入対象者の特定」と「福祉避難所への直接避難の促進」の2点を挙げることができます。
まず、「受入対象者の特定」についてですが、受入想定をしていない避難者が避難してくることがないよう、例えばA施設は知的障がい者、B施設は要介護高齢者、のように福祉避難所ごとに受入対象者を特定し公示するものです。しかしながら、福祉避難所として受入対象者を特定しても、一般の避難者が殺到してしまうことも想定されるといった課題もありますので、今後整理をしていく必要があります。
次に「福祉避難所への直接避難の促進」につきましては、要配慮者が日頃から利用する施設への直接避難を促進するものです。直接避難につきましては、個別避難計画の作成に取り組んでいく中で、併せて、要配慮者対策推進委員会において、健康福祉局とともに検討を行ってまいります。』

との回答を頂きました。
この件に関しまして、本市としても大きな検討内容になっていくと思いますので、ぜひしっかりと協議、検討をすすめ、識者など多くのご意見のもと、災害時にしっかりと対応できる制度を考えていただければと考えます。

〔令和3年第2回定例会 一般質問(2021.7.13)〕 
林 利憲 
1.防災について(1)福祉防災について (2)在宅避難と自主防災

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