令和4年9月9日に、船橋市議会「令和4年第3回定例会」で一般質問をさせていただきましたテーマのひとつである、本市の福祉タクシー事業に関する答弁をご紹介します。

2022.9.9定例質問-1

船橋市には、心身に重度の障害を有する方が通院などの外出に際して、市と協定を締結しているタクシーを利用した時の料金の一部を補助する「福祉タクシー事業」があります。
利用方法は、“福祉タクシー券”が対象の方へ配布されており、その券をタクシーの精算時に運転手へ渡すことで、乗車月の翌々月に指定された口座へ市から助成金が振り込まれるというものです。補助額は運賃の1/2であり、一枚当たりの助成限度額の上限が1,200円です。 

介護や支援が必要な方にとって、この事業は無くてはならない非常に重要で大切な事業であると考えます。しかしながら、ある市民の方からご相談をいただいたことをきっかけに、本市の福祉タクシー事業の運用面において見直すべき点があるのではないかと思い、今回一般質問のひとつとして取り上げました。
 

【林としのり一般質問と市の回答】

福祉タクシー利用時の運用について
先日、市民の方が書類を広げ、手にはペンを持ち、携帯電話を片手に困っておられる様子を市役所でお見かけしました。たまたまお知り合いの方でしたので声を掛けたところ、この日は市役所の担当課を訪れて福祉タクシー事業について話をお聞きになられたそうで、ご帰宅の際にさっそく貰い受けた福祉タクシー券が利用できるタクシー会社に電話をされたのだとお話を伺いました。
ところが、市役所から配布された資料をもとに「介護タクシーが利用できる」と掲載されていた会社へ電話をしたけれども、そのタクシー業者は元から介護タクシーを取り扱っておらず、断られてしまったというのです。
再度、資料を見て連絡をしようにも資料の見方が分からなくなってしまい、どうしたものかと途方に暮れていたとのことでした。

そこで、本市の運用について現状を確認するため質問をいたしました。

〔質問〕
Q. 福祉タクシー券を必要としている方に対して、本市はどのように対応しているのか?
〔答弁〕
福祉サービス部長:

『福祉タクシーの利用を希望される方には、市役所や出張所等の窓口にてタクシー券を交付する際、制度利用のご案内と「利用できるタクシー会社一覧」をお渡しし、利用方法についてご説明をしております。』

Q. 福祉タクシー券利用者に「タクシー会社一覧」を渡しているが、介護タクシーを実施している等の情報について、現状、どのように精査しているのか?
〔答弁〕
福祉サービス部長:

『福祉タクシー事業の実施においては、令和4年9月1日現在で216社のタクシー会社と協定を締結しております。協定締結の際に、タクシー会社の会社名、電話番号、所在地、および乗り降りの際の介護などを行う介護タクシーを実施しているのか等を確認し、「利用できるタクシー会社一覧」に反映しております。この一覧表の内容については、タクシー会社から変更等の提出があった場合は月ごとに更新し、市のホームページにも掲載しております。』


運用の問題点について
現状では月ごとに変更内容を資料へ反映できているとのことでした。
しかし実際、先ほどの方のように目的にたどり着くことが出来ないケースが発生しているのです。
この原因として、市役所から配布される「利用できるタクシー会社一覧」の補足説明部分が分かりづらいことが問題であると考えます。
実際に対象者へお渡している資料を見ますと、「利用できるタクシー会社一覧」は紙の資料であるにも関わらず「ホームページアドレス等」という欄がひとつ設けられており、そこにアドレスが細かく記載されていたり、あるいはホームページを持たない会社は空欄になっている一方で、「月・木曜日のみ、無線による配車はしておりません」等が書かれていたりするのです。一部の会社には「要予約、介護タクシーのみ運行」との記載もあります。
一体この欄では何を伝えたいのか?と、正直とても分かりづらく感じられます。
福祉タクシー一覧の見本
▲「利用できるタクシー会社一覧」の見本

こうして実際に資料を目にしまして、この記載がかえって混乱を与え、利用者の方が必要とする情報にたどり着くことができない状況を引き起こしているものと考えました。
今回の問題を解決するにあたって必要なのは、この事業の性質上、真に必要な情報に絞り、分かりやすい記載内容へと資料を改善することではないでしょうか。

そこで、次の質問を通して市へ提案をいたしました。 

Q. 今後「利用できるタクシー会社一覧」をより分かりやすく内容を精査していく予定はあるのか?
〔答弁〕
福祉サービス部長:

『議員ご指摘のとおり「ホームページアドレス等」の欄にホームページアドレスの他、予約が必要か、介護タクシーの運行があるかなど、様々な情報を掲載しておりましたので、今後、利用者の皆様に必要な情報をわかりやすく伝えるために一覧を修正してまいります。 』


介護タクシーを利用する状況にあるということは、多く面でご負担があるということが容易に想像がつきます。だからこそ、お渡しする資料においては、この事業を利用する方にとって補足欄に何が必要なのかがおのずと見えてくるものと考えます。
その点についてしっかりとご留意いただいた上で、ぜひ資料を精査してもらうことを強く要望いたしました。

なお、余談ですが、今回お困りになっていらっしゃったその方は、市の窓口対応について本当に感謝をなさっていました。丁寧に分かりやすく説明してもらえたとも笑顔で話してもおられ、「その丁寧で親身な対応があったからこそ、逆に今回は、聞きづらくなってしまい困ってしまった。」とお話されていたことがとても印象的でした。

(ご参考)
福祉タクシー利用料金の助成/船橋市
https://www.city.funabashi.lg.jp/kenkou/shougaisha/005/02/p009707.html


〔令和4年第3回定例会 一般質問(2022.9.9)〕 
林 利憲 
1. 福祉タクシー事業について
2. 学校図書・読書について